D 中央診療

D1手術

  1. 年間手術件数の予測,手術室数の設定はできているか。
    • 主な手術内容と平均手術時間。1日当り平均回転数の予測。
    • 日帰り手術についてはどう対応するか。
    • 手術部門で行う手術の範囲。外科小手術当の扱い。

  2. 他部門との関連性はどう考えるか。
    • 病棟(外科系),ICU,中央材料室(手術部専用材料室とするか)
    • 病理検査,放射線診断,輸血,薬局,また外来,救急手術との関係(位置関係,搬送設備,情報通信設備)

  3. 清潔管理,作業効率の観点からの人の動きの検討はされているか。
    • 医師,看護婦,その他スタッフの動き,清潔手続き,設備
    • 病棟から手術部門までの患者移送方式,また乗換方法
    • リカバリーはどこで行うか。また日帰り手術の場合は?
    • 見学者のル-トの設定,来訪者の扱い

  4. 清潔管理,作業効率の観点からの物の動きは?
    • 滅菌機材の保管方法は。ステリコンテナ等の使用はあるか。
      またその場合の保管場所、保管量の設定は。
    • ディスポ類の保管方法・場所・量・ルートは。
    • 機器類の保管場所は。またその量は。
    • 血液,輸液,薬品,縫合糸,包帯等の動き(供給→<保管>→使用)
    • 検体(緊急検査)の動き,搬送方法(→搬送)
    • 血中濃度・ガス分析などの検査はどこで行うか。
    • 汚物等の搬出方法(パッキング→<一時保管>→搬出)

  5. プランタイプは検討されているか。
    • 供給ホール、回収廊下等は決めているか。
      またその場合の人・もののルートは設定されているか。

  6. 所要手術室の施設内容,設備条件
    • 一般手術室,および特殊手術室(脳神経,心臓血管,整形,耳鼻咽喉,眼科,クリ-ンル-ム,X線手術室,見学手術室等,外来手術室、開創照射手術室等)
    • 各室のクリーン度、設置機器、室温条件等
    • 室の大きさの検討。(術式別のレイアウト検討が必要)

  7. 所要付属室の施設内容,設備条件,および清潔度の設定
    • 配盤,器材,手洗,準備等の各室またはコ-ナ-
    • 受付・管理,更衣・休憩,回復,麻酔医勤務,下洗い,手術
    •    
    • 材料,緊急滅菌,検査,内視鏡,ギプス,TV操作等の各室またはコ-ナ
    • 家族控室,面接室等

  8. 部門内に配置する機器,設備のリストアップと設備条件の設定
    • 機器のレイアウト,アウトレットの位置,非常電源の要否等
      またミクロショック対策等,設備設計上問題になる点のリストアップ(温度条件は特に設備上問題が大きい)

  9. 物品,器材,機器等の保管量,保管場所の設定
  10.     
    • 3.~5.の設定により大きく変わる。
     
  11. 清潔管理上留意すべき点の検討はなされているか。
    •    
    • 清潔管理の基本的な方針は設定できているか。 (特にCDCの勧告に関して)
    • 空調方式・機器の検討,またフィルタ-の点検方法等
    • 室内の清掃,消毒方法

 

D2分娩・周産期

  1. 娩数の予測はできているか。(正常・その他)

  2. 看護単位の構成はどうするか。
    • 単位扱いとするか。また産科と一体とするかなど。
    • 周産期母子センターなど制度上の扱い。

  3. 新生児(熟児,未熟児)の管理をどこで行なうか
    • 分娩,小児科,産科,その他,またNICUを設けるか。
    •    
    • (総合)周産期センターの体制をとるか。この場合、施設基準も含め別検討が必要→PICUの運用方法

  4. 入院→分娩→退院までのスケジュ-ル,および収容場所は設定されているか。
    • 新生児室,未熟児室,NICU等の管理主体,位置関係
    • 母子同室制,母子異室制,およびそのスケジュ-ルの設定。
    •     
    • LDRを置くか。

  5. 異常分娩(手術を要するもの)を行なう場所 の設定は?
    • 手術部門で行なう場合は患者搬送,スタッフ構成の検討要

  6. 所要室の施設内容,設備条件の検討はされているか.
    • 分娩室,準備,調乳,沐浴,汚物処理,陣痛室,新生児室,NS,未熟児室,NICU,授乳,指導,面会等の各室またはコーナー

  7. 清潔管理の具体的な方法は設定されているか。
    • 設備の検討,メンテナンス方法
    • 清潔ゾ-ン,清潔手続きの設定(妊産婦,スタッフ,面会)
    • 特に授乳室まわりの手続きの設定
    • 各種物品の受渡方法,搬出方法
    • NICU等を分娩から分離する場合の清潔管理方法

  8. 妊産褥婦に対する建築的配慮は考えているか。
    • インテリア,色彩,BGM等
 

D3検査(検体検査)

  1. 業務範囲・検査範囲、検査数は設定されているか。
    • 外注範囲は設定されているか。
    • 検査数は予測できているか。
    • 一般・生化学・血液・細菌・病理検査,解剖等(RIは別項目)

  2. 検査部門のスタッフ構成また中央採液など分散配置とした場合の体制は検討できているか。
    • 医師,技師,看護婦,助手その他の人数と配置

  3. 検体検査にかかわる患者と検体の動きの検討はされているか。
    • 入院・外来患者の検体採取場所の設定,また外来採液室設置の有無
      (外来採液室→採取する検体の範囲,スタッフ構成の検討)
    • 入院・外来患者の検体の搬送方法の検討(定期・臨時の扱い)
      特に夜間検体の搬送を誰が行うか。
    • 検査部門内での検体・情報フローの設定:検体自動搬送の導入の有無
    • 検体検査部門で行う患者検査の有無。またその扱い。
  4. 検体検査にかかわる情報フロ-は設定されているか。

    • 検査依頼情報のフロ-の検討:作成(発生)→搬送(通信)→受付→検査
    • 検査結果のフロ-の検討:情報,院内ファクシミリ,手渡し等
    • 検査結果と患者情報の一体化:はりこみ方法・場所・作業者等(紙媒体) →G1.情報システム

  5. 緊急検査の対応はどうするか。
    • 手術,ICU等の他部門,また検体検査部門内に緊急検査室を設けるか。
      またその場合の技師,検査機器の配置の検討
    • 術中病理検査の扱い.病理部門と手術との位置関係
    • 時間外の緊急検査の対応。また検体の発生場所。

  6. 検体検査関係所要室の施設内容,設備条件は設定されているか。
    • 一般,血液,生化学,血清,細菌,病理等の各検査室またはコ-ナ
    • 採液(採血・採尿等),洗浄滅菌,器材保管,受付,技師室等
    • 機器のレイアウト,アウトレットの位置(方法),非常電源の要否等
    • バイオハザ-ド等,建築計画,設備設計上問題になる点の検討
    • 電子顕微鏡などの大型機器の設置の有無

  7. 解剖関係諸室の施設内容,設備条件は設定されているか。
    • 病理~解剖~霊安の位置関係の設定.
            および内部・外部動線(遺体搬出口)の設定
    • 解剖部門におけるバイオハザードの考え方
    • 更衣,準備,解剖,標本等の諸室の配置.音の問題

 

D4検査(患者検査)

  1. 検査範囲の設定,検査数の予測はできているか。
    • 生理機能検査,内視鏡,超音波等(RIは別項目)
    • 1部門にまとめるか、分散配置とするか。

  2. 検査部門のスタッフ構成は設定できているか。
    • 医師,技師,看護婦,助手その他の人数と配置

  3. 生理機能検査にかかわる患者フロー・情報フローの検討はなされているか。
    • 病棟,外来診療との位置関係,患者の移送方法,受付・案内方法
    • 検査依頼情報のフロ-の検討: 作成(発生)→搬送(通信)→受付→検査
    • 検査結果のフロ-の検討:情報通信,院内ファクシミリ,手渡し等
    • 検査結果と患者情報の一体化:はりこみ方法・場所・作業者等(紙媒体) →G1.情報システム

  4. 生理機能検査関係所要室のグル-ピング,施設内容,設備条件
    • 心電図,脳波,肺機能,基礎代謝,心音,筋電図,超音波,内視鏡の各検査室またはコ-ナ-,受付,技師室等
    • シ-ルド,防音等,設備設計上問題になる点の検討
 

D5内視鏡

  1. 患者数の予測はできているか。(検査、治療・処置)
    • 特に治療・処置の傾向は読み取れているか。

  2. スタッフ構成は設定されているか。
    • 医師,技師,看護婦,助手その他の人数と配置

  3. 内視鏡にかかわる患者・情報フローの検討はなされているか。
    • 病棟,外来診療との位置関係,患者の移送方法,受付・案内方法
    • 画像情報をどう扱うか。(情報化) →G1.情報システム

  4. 内視鏡関係所要室の施設内容,設備条件はできているか。
    • 上部・下部消化管、気管支、ERCP等の室数。
      またX線TVなどの設備の有無、または位置関係。
    • 各室の清潔度の設定。
    • 内視鏡各室,準備・洗浄室,処置室,超音波検査室等
    • 下部消化管におけるWCの設置など、患者への配慮
 

D6放射線診断

  1. 撮影件数の予測,撮影室数の設定,またスタッフ数の設定はできているか。
    • 放射線治療,核医学(診断・治療),内視鏡,超音波等との組合せまたは総合画像診断部門としてのグルーピングの検討
    • 救急、外来等に放射線診断部門を分散配置するか。

  2. 他部門との関連
    • 病棟・外来との位置関係,案内性
    • 救急など緊急を要する部門との位置関係,または機器の分散の是非

  3. 各室に設置する機器の検討,および所要室の施設内容,設備条件の設定はできているか。
    • 一般撮影関係:胸部,頭部,四肢,断層,歯科,CT等
    • 造影撮影関係:消化器,泌尿器,婦人,脳血管,心血管等
    • 現像,画像処理,フィルム搬送等の機器システムと暗室
    • フィルム整理,読影,技師控,準備の各室またはコ-ナ-
    • 放射線防御,また将来計画に対する柔軟性の検討
    • その他部門: 内視鏡,超音波等

  4. 血管造影部門の検討
    • 設置場所,手術部門との関連
    • 清潔度の設定,空調方式の検討,清潔手続きの設定

  5. 放射線診断にかかわる情報のフロ-の検討はできているか。
    1. 画像を情報化する場合
      • 診断はすべてディスプレィ上で行うか。
      • 高精彩ディスプレィの配置は設定されているか。(院内各所)
      • 在来フィルム・他施設撮影フィルム等のフィルムの扱いは。
    2. 画像を情報化しない場合
      • 照射依頼情報のフロ-の検討:作成(発生)→搬送(通信)→受付→撮影
      • フィルムのフロ-:撮影→現像→整理→読影→保管
      • ィルム保管量の検討と保管場所の設定
      • 画像情報処理(PACS)化への対応.将来計画 →G1.情報システム
   

D7放射線治療

  1. 治療の内容,治療件数の予測,またスタッフ数の予測
    • リニアック、アフターローディング、陽子線治療等

  2. 他部門との関連は設定できているか。
    • 病棟,および放射線診断部門との位置関係
    • 建築構造上の制約と全体の中での放射線治療部門の配置

  3. 各室に設置する機器の検討,および所要室の施設内容,設備条件の設定はできているか。
  4.    
    • リニアック,アフターローディング,シュミレータ,治療計画室および工作室等の付属室
    • リニアック等での開創照射の有無,清潔管理の方法,設備内容
    •  
    • 現像,画像処理,フィルム搬送等の機器システムと暗室,画像処理,
    • フィルム整理,読影,技師控,準備の各室またはコ-ナ-
    • 放射線防御,また科学技術庁等の指導への対策

  5. 放射線治療にかかわる情報のフロ-の検討はできているか。
    • 照射依頼情報のフロ-の検討:作成(発生)→搬送(通信)→受付→撮影
    • カルテのフロ-
    • 患者案内に対する配慮はできているか。

  6. 自然光の導入など建築的な配慮はできているか。
 

D8核医学

  1. 診療内容の検討,また検査(治療)件数,スタッフ数の設定はできているか。
    • 診断(In vivo,In vitro),治療

     
  2. 使用する診療用放射線同位元素の種類,および量の予測
    • 診断(In vivo,In vitro),治療毎

  3. 他部門との関連は設定できているか。
    • 放射線診断,病棟,外来診療,検査部門との関連
    • 所要室の検討,設置機器の設定,施設内容,設備条件の検討
    • 検体RI: 検査内容の設定,および将来の動向
    • 体外計測: シンチグラム,エミッションCT,PET,レノグラム等
    • RI病室: 治療室,付属室等

  4. 診療用放射線同位元素取扱上の安全性の検討
    • 貯蔵,廃棄(または回収)の方法,および建築上の位置,設備
    • 衛生設備,空調設備等の内容の検討(RI貯留槽,排気設備
    • 科学技術庁等の施設基準との適合,また指導への対策
    • 安全性によるゾーニングの検討
      ※PET、サイクロトロンの導入に関しては別の検討が必要

  5. RI病室の運営面の検討
    • 看護単位の組み方,看護婦の勤務体制
    • 部門の組み方(病棟に設ける,RIと隣接さす,等)
    • 所要室のリストアップ,および施設内容,設備条件の検討
    • 患者の生活行為,診療看護行為の検討→病棟参照
 

D9リハビリテーション

  1. リハビリテ-ション対象範囲の設定,スタッフ構成、位置づけ
  2.  
    • 制度上何類のリハビリテーションを行うか。また急性期リハか慢性期リハか。
    •      
    • 院内でリハビリテーションをどのように位置づけるのか.
    • 理学療法,作業療法,ADL,言語治療,医療社会事業,心理療法
    • 医師,看護婦,理学療法士,作業療法士,言語治療士,医療W,臨床心理士,助手等

  3. 対象患者の範囲は設定できているか。
    • 対象患者数の予測,また小児のリハビリをどうするか
    • ディケア,ショ-トステイを行なうか

  4. 他部門との関連は設定できているか。
    • 病棟,外来診療との位置関係,案内性

  5. 所要室の施設内容,設備条件の検討はされているか。
    • 理学療法(水治療法,温熱電気光線治療,運動療法),作業療法
    • 義肢製作,ADL,言語治療,医療社会事業,心理療法,管理,診察,技師控,運動解析,小児リハビリの各室またはコーナー

  6. 予約方法は検討されているか。 →G1.情報システム
 

D10特殊治療

  1. 血液透析
    • 設置の有無,診療人数,スタッフ数の設定
    •  
    • 夜間透析の有無,またCAPD(入院・外来)の実施の有無(ゾーニング・動線計画)
    • カルテ・検体等の動きの検討,関連部門との位置関係
    • 透析液の搬入,検収,ストック方法
    • 清潔管理の方法,および清潔度の設定
    • 透析設備と建築・設備の整合

  2. 高気圧酸素治療
    • 設置の有無,診療人数,所属(管理)部門,スタッフ数の設定
    • 他部門との関係,特に救急,病棟
    • 設置機器と建築・設備の調整,所要設備
    • 安全対策

  3. 結石破砕
    • 設置の有無,診療人数,所属(管理)部門,スタッフ数の設定
    • 他部門との関係,特に病棟,放射線診断
    • 設置機器と建築・設備の整合,所要設備

  4. 血液センター
    1. 血液センターの内容は設定されているか。
      • 保管、採血、治療のついての業務範囲の設定。
    2. 所要室の施設内容,設備条件
      • 採血,診察,保管庫,検査,研究,受付の各室またはコ-ナ-
    3. 物品管理,情報管理
      • 血液保管量,また払出方法の検討,時間外の対応
      • 請求,払出に関する情報のフロ-,コンピュ-タ利用,搬送