B 病棟

B1. 病棟

  1. 病棟構成の方針は設定できているか。
    1. 一般病床以外の病床数は押さえられているか。
      • 一般病床、療養型病床、回復期リハ、特定疾患病棟 等
    2. 病棟構成は押さえられているか。
            ex. 診療科別、重症度別、普通患者-特殊患者 等
    3. 看護体制は設定できているか。
      • 看護基準2:1 A加算 等
      • チームナーシング、受持制、折衷制 等
      • 3交代-2交代
    4. 総看護単位数は設定されているか。また1フロア当たりの数は。
    5. 看護単位ごとの看護度別患者数の予測はできているか。

  2. 病室構成は設定できているか。(特に個室率)
    1. 総室は4床室を基本としてよいか。
    2. 観察室(病床外)の有無。
    3. 重症個室の有無。(重症加算含む)
    4. 差額個室数の設定。
    5. 感染病室、または感染症対応室の有無。
    6. 男女数の調整をどう行うか。

  3. 患者の生活行為の分析はされているか。
    1. 睡眠
      • 十分な睡眠がとれる環境(音・光)としているか。
        ex. 防音性能の高いサッシ・扉の使用、廊下からの光の遮断、室内に置く機器の無音化(冷蔵庫等)
    2. 食事
      • 食事場所の設定(食堂の有無)
      • 病棟,給食部の業務分担(配膳,下膳,給茶等)
      • 食堂を設ける場合,食堂利用者数の予測,治療食の扱い
      • 遅れ食の管理: 保管場所・数
      • 経管食: 保温,準備場所の設定
      • 母乳・人工乳: 授乳,調乳,温乳の場所の設定
      • 間食: 各病棟での扱い(特に小児病棟)、場所,人数,準備場所
      • 補食: 付き添い等の利用者数,設備
    3. 排泄
      • 一般便所: 利用者数,病室(ベッド)からの距離
      • 分散(各室)便所: 分散便所・または各室便所を設けるか。また分散便所とした場合の蓄尿の方法.
      • 車椅子便所: 利用者数,各病室からの距離.
      • オムツ: 対象患者数の予測(特に小児,老人)、処理方法(一時保管場所,洗濯場所,ディスポ等)
      • 病室: 後始末の方法・ポータブル便器の設置場所
      • 痰唾: 吸引装置の設置場所
    4. 運動
      • 歩行: 病棟内での歩行場所,ディル-ムの設置の有無
      • 車椅子: 車椅子の利用者数,また保管場所・量
      • 歩行器: 歩行器の利用者数,また保管場所・量
    5. 娯楽
      • 読書: 読書が可能な照明設備となっているか。
      • 新聞: 配達の方法,また閲覧コ-ナ-を設けるか
      • 遊戯(小児): 場所,人数,管理方法、玩具の種類・保管場所
      • テレビ・ラジオ: 設置場所,設置方法(特に総室) 、貸し出しの方法、情報端末としての利用の有無。(ベッドサイド端末等)
      • BGM: 設置の有無
      • 喫茶: 喫茶場所(ベッドサイド,ディル-ム等)、給湯設備の設置場所
      • 喫煙: 喫煙場所の設定,吸殻の後始末
    6. 対話
      • 対医師・看護婦: プライバシーの考慮を要する場合の相談場所
      • 栄養相談: 個別,集団の栄養相談 人数,場所
      • 対面会人: 面会場所,面会時間,茶のサ-ビス方法
      • 電話: 設置場所(発信,着信)、また総室の場合の呼び出し方法
      • 手紙(日記): 記録場所,また発信,着信の方法
    7. 身体の清潔
      • 入浴: 入浴可能患者数の予測,入浴回数(浴室かシャワーか)、 一般浴室,介助浴室,昇降浴等の設置の有無、また浴室を中央化するかどうか.
      • 清拭: 清拭のみの患者数、清拭の回数,場所,また清拭車の準備保管場所
      • 理容・美容: 理容室に出向けない患者への対応.またその場合に必要な備品
      • 洗面・手洗い: 洗面器の設置場所
      • 洗髪: 洗髪場所,回数,および人数
      • 足洗い: 足洗い場所,回数,人数,および設備(シャワー・浴室との関連)
    8. 衣類の清潔
      • 更衣: 患者,付き添いの更衣場所
      • 患者衣服の保管量,また保管場所
      • 下足: 下足の保管場所
      • 貴重品: 現金等貴重品の保管方法
      • 家具等: ベッドサイドロッカーのデザイン、床頭台のデザイン
    9. 身辺の清潔
      • ベッドメイキング: ベッドメイキングの回数・場所の設定。
        [関連]ベッドセンター設置の有無、またベッド洗浄設備など機器の設置を行うか。
      • 掃除: 室の掃除回数,方法
      • 寝具・備品:  寝具,備品(カ-テン等)の交換,洗濯回数
      • ゴミ: 回収方法,回数,および分別方法
    10. その他
      • 買い物: 院内での御用聞き,出前制度の有無
      • 行事・集会: 行事・集会の有無
      • 教育(小児): 
    11. 付き添い、面会者の扱い
      • 付き添いの数,また付き添いの生活行為,特に睡眠場所
      • 面会時間,面会場所,手続き(バッジ等)等

  4. 診療・看護行為の分析はなされているか。
    (行為・または準備を行う場所、方法、必要器材等の設定は)
    1. 受付・申し送り
      • 病棟出入りの監視(患者,職員,面会者等)
      • ナ-スコ-ル,電話受診。またハンディナースコールは?
      • 物品の出納
      • 患者への電話の取り次ぎ方法
      • 物品搬送方法の検討
      • ナ-スステ-ション位置の検討
      • 患者名の表示
    2. 記録・報告
      • (患者情報・オーダーのフロー・媒体の設定はできているか。)
      • 看護,管理関係記録
      • (看護日誌,体温表,食札,薬札,患者台帳,病棟日誌等)
      • 診療関係記録,報告(カルテ・フイルムの記入・整理,検査依頼・結果報告の整理,処置表,行為の会計への報告,薬剤請求,処方箋記入等)
      • その他記録(病棟統計,会議記録等)
      • 連絡,報告(申し送り,患者,患者家族,他部門,他施設への連絡)
      • 記録・報告の作業場所の設定と準備・洗浄コ-ナ-,物品保管コーナーとNS内各コーナーとの位置関係
      • 作業効率上からのNS各コ-ナ-のレイアウト
      • カルテ・フィルムの整理・保管方法、また媒体の設定。
    3. 診察・処置
      • 診察・介助(受診,包交,放射線,患者検査,剃毛,消毒)
      • 注射,輸血,検体採集,測定(蓄採尿,導尿,浣腸,穿刺採液,酸素吸入,吸引他)
      • ターミナルをどう扱うか。
      • 死後の処置
      • 診察・処置等の診療行為を行なう場所の設定
      • また必要な機器,備品,設備のチェック(処置室,NS準備コ-ナ-,汚物処理室等)
    4. 身の回りの世話
      • 身体の清潔(清拭,洗面,洗髪,入浴介助,衣類交換)
      • 排泄(介助,おむつ交換,留置カテ-テル,吸引等)
      • 介助(体位交換,移動介助,氷嚢)
      • その他(入退院時の世話,私物の洗濯,電話取り次ぎ,手紙)
      • 身の回りの世話を行なう場所の設定,また必要な機器,備品,設備のチェック(ケア準備コ-ナ-,浴室,洗髪室等)
    5. 食事・予薬
      • 食事(食事の介助,治療食の確認,摂取状況の観察,遅れ食の管理等,他に哺乳,経管栄養)
      • 給食部との業務範囲,配膳室の機器,設備のチェック
      • 病棟での薬品の保管方法
        • 処方薬の分包:
        • 補液等の混注:
        • 注射薬等の管理方法:
        • 麻薬の管理方法:
      • 物品の管理
        • 医療,看護器具の点検,保管,洗浄,消毒
        • 各物品の供給方法・請求方法・搬送方法・または保管場所
        • (滅菌器材・衛生材料・薬品・用度物品・リネン類等)
        • 各物品の病棟保管物品,量のチェック
        • (滅菌器材・衛生材料・薬品・用度物品・リネン類等)
        • 各物品の保管方法,請求方法,また保管場所の設定
      • 指導・教育
        • オリエンテ-ション(入院,処置,検査,手術前後)
        • 指導(療養期間中,退院時,家族指導)
        • 教育(学生,実習生)
        • 指導・教育等の行為を行なう場所の設定
      • 巡視・観察
        • 病室巡回,観察,検査中の観察
        • 観察室・重症室とナ-スステ-ションの位置関係
      • 環境の整備
        • 病室の環境整備(シ-ツ交換,カ-テン交換,清掃,臭気,温度,湿度,騒音,換気,採光等の調整)
        • その他(整頓,消毒,補修)
        • 環境コントロ-ルの建築的,設備的な対応
      • 安全の管理
        • 感染管理,防災設備の管理,その他事故防止
        • 病棟における院内感染防止の建築的な対応
        • 防災計画,また防災設備のコントロ-ル方法
        • 事故防止についての建築的な対応
      • 患者の移送方法の検討
        (ベッド・ストレッチャー・車イス等)
        • 病棟内での移送(処置,洗髪,入浴,ディル-ム等)
        • 病棟外への移送(手術,放射線,検査,リハビリ等)
        • ストレッチャー・車イス等の病棟での保管台数・保管場所。

  5. 病棟で発生する各種情報の処理方法・フローは設定されているか. →G1.情報システム

  6. 病棟内での物品管理方法は設定されているか。→G2.物品管理・搬送システム

  7. ベッドサイドの計画はできているか。
    • ベッドサイドの環境に対する配慮。
    • 医療ガス、照明(一般・処置用)、ナースコール、TVなど
    • ベッドサイドロッカー・床頭台のデザイン

  8. 施設計画(概略)
    1. 病棟構成
    2. 病棟内部の構成
    3. ナースステーションの配置
    4. 便所・浴室等の配置
    5. 診療・看護関連諸室の設置・配置
      • ナースステーション:受付・記録・保管・準備・洗浄等の各コーナの配置
      • その他所要室の検討:
    6. 患者生活諸室の設置・配置
    7. その他所要室

B2集中治療

  1. ICU,CCU収容患者の院内での位置づけはなされているか。
    • 患者分類の中での位置づけ.
    • 対象患者の設定 リカバリー・感染症・無菌対応等
    • 救命救急センターなど制度上の扱い

  2. ICU,CCUのベッド数の設定,看護単位の組み方の設定は。
    • 運営上の規模,および運営方法,スタッフ数
    • 特殊ベッドの有無(陽圧・陰圧・エアーベッド・無菌病室等)
    • ICU,CCUの建築的な組合せ方

  3. 他部門との位置関係は押えているか。(特に病棟,救急,手術)

  4. 収容患者の特性,および生活行為の対応は考えられているか。→ 病棟に準じる。
    • 疾患名,収容日数,患者の状態等
    • 特に食事,排泄,身体の清潔,清掃(消毒)方法等
    • "ICUシンドローム"への対応

  5. 面会者の扱いは設定できているか。
    • 面会の可否,面会時間,面会手続き,清潔管理上の手続き等
    • 面会者の出入りのチェックはどう行うのか。

  6. 診療・看護行為の分析、場所の設定はよいか。→ 病棟に準じる。

  7. 緊急時の対応をどう考えるか。
    • 緊急を要する検査,放射線撮影等の有無,またその対応
    • 緊急物品の請求,搬送方法,また時間外の対応

  8. 所要室の施設内容と設備条件の検討はできているか。
    • ICU,CCU,無菌病室,NS(記録・準備・器材等),汚物処理,
    • 更衣,休憩,医師勤務,討議,検査,搬送・受渡等(特に医師の勤務体制は実際に合わせているか。)

  9. 室内に配置する機器,設備のリストアップと設備条件は設定されているか。
    • 機器のレイアウト,アウトレットの位置,非常電源の要否等
    • またミクロショック対策等,設備設計上問題になる点のリストアップ
    • モニタリング関連機器の配置、および情報配線の有無。

  10. 清潔度の設定,および清潔管理の具体的な方法は設定されているか。
    • 入退室時の清潔手続きはどのような方法をとるのか。
    • 搬入,搬出する物品のリストアップ,および受渡方法(薬品,血液,処置材料,医療・看護器具,リネン等)
    • 室の清掃方法、回数。

  11. ICU,CCU内での物品管理の方法と保管量の設定→G2.物品

  12. 施設計画(概略)
    • 所要室の検討(ICU、CCU、無菌病室、スタッフステーション、汚物処理、休憩、医師勤務、検査、物品保管、当直室等)
    • 設備条件・設置機器の検討